猫町フェス2022 in はつかいち 夕凪キャラバン

猫町フェス2022 in はつかいち 夕凪キャラバン オンガクの生まれるところ

先月、8月21日(日)に「猫町フェス2022 in はつかいち 夕凪キャラバン オンガクの生まれるところ」に行ってきました。

これは、はつかいち美術ギャラリーで開催される「はしもとみお木彫展 カタチの生まれるところ」の開催に合わせて、そのオープニングコンサートとして行われた音楽フェスです。

彫刻家のはしもとみおさんの展示を初めて見たのは、2018年の夏に東京スカイツリータウン・ソラマチ9Fで開催された「郵政博物館 どうぶつゆうびん局へようこそ!はしもとみおの木彫の世界」でした。偶然フライヤーか何かで展覧会のことを知ったと思います。それまでは、はしもとみおさんの存在自体を知りませんでした。

その後、2020年の9月に下蒲刈島の蘭島閣美術館で開催された「はしもとみお彫刻展 海からはじまるいきものたち」を見たのが2回目、このフェス開催日の後に、違う日程で展覧会を見たので今回で3回目になります。

初めてはしもとみおさんの動物たちを見たときのその時の衝撃はすごかった。本当の動物を飼った経験も無く、むしろ子供の頃は動物が苦手な方だったのに、動物たちの世界に引き込まれていくまさにその瞬間、瞬間に興奮したことを覚えています。何だろう、可愛いと感じるものは世の中にたくさんありますが、可愛いと感じる領域のまだ未触手の領域を突かれた感じというか。

蘭島閣美術館は、広島県呉市の島の小さな美術館ですが、そこで見たときも、二人組の女の子たちが、「可愛い!可愛い!」という声をあげて、きゃっきゃ言いながら、ときに声を押し殺しながら、それでも溢れ出る感情を抑えきれずに興奮気味に見ていて、そういう光景自体が微笑ましく、とてもよかった。一つ一つの命の存在も素晴らしいのですが、周りを幸せな感覚に巻き込んでいくその世界観自体が素敵なんです。この時はジュゴンのセレナが逞しかったですね。

今回、はつかいち美術ギャラリーで木造展があることを知り、さらにウッドワンさくらぴあ小ホールにてオープニングコンサートがあると知って、心の赴くまま、オープニングコンサートに行きました。普段、音楽とはほど遠い人間としては、猫町フェスというのは全くどういうものか知らなかったのですが、猫を繋がりにしてシンガーソングライターや音楽家の方々が集まって定期的に開催されている音楽イベントであることを知りました。

そして、今回のコンサートメンバーは、山田稔明(GOMES THE HITMAN)さん、近藤研二(ex. 栗コーダーカルテット)さん、むぎ(猫)さん、イノトモさん、itokenさん、伊藤健太さん、そして、はしもとみおさんでした。

約1時間40分くらいのステージ。会場はお客さんでいっぱい。すごくよかった。最高でした。何よりこんな楽しい思いをしたのは久しぶりでした。猫町フェスもその楽曲も何一つ知らないのに、全て楽しい。ステージ上のパフォーマーの方々が作り上げる空間の素晴らしさ、やはり素直に感動します。

初めて聞く歌ばかりで、初めて見る方々ばかりなのに、猫町フェスが何なのか全く知らないのに。だけど、最高だった。めちゃよかった。はしもとみおさんは美術も音楽も奏でるのですごいですね。山田稔明さんの歌声もむぎ猫さんのパフォーマンスも最高でした。

今回のコンサートで、はしもとみおさん以外のアーティストの方々も知ることができました。多分、導かれるように今回出会ったアーティストの方々のイベントなどに今後も誘われて行ってしまいそうです。やっぱり音楽のチカラってすごいなと感じます。美術も音楽もやっぱりすごい。文化はすごい。人が生活する中から生まれてきて、人がつむぎ出すものに私たちは日々囲まれて、自然な営みの中に豊かな何かを見い出せるってすごいことだと思う。はしもとみおさんの彫刻を見たときにもそれを感じたし、今回のコンサートは、猫を愛する方々が作り上げた世界に身を置いて、さらに幸せな感情が増幅されて、心が満たされる体験をしました。

これは非日常の空間ではなく、きっとこれこそが日常にすべきなのだと、そうすれば毎日がもっともっと豊かなものになるんだろうなと思う。

ここからは展覧会の話。コンサートが終わって後日、展覧会「はしもとみお木彫展 カタチの生まれるところ」の方にも行きました。文句なしに素晴らしい動物ばかりでした。素晴らしいというと上から講評しているみたいで適切な言葉でないようにも思いますが、とにかく素敵です。

会場では、素敵なことをたくさん見つけました。

その一つに絵日記がありました。でもこれは、はしもとみおさんの作品ではありません。

今回この展覧会では、参加者の皆さんが好きな作品をスケッチして言葉を添えて、絵日記を作るという企画があります。皆さんのスケッチした日記が張り出されています。皆さんが、はしもとみおさんの作った生きもの達に心揺さぶられている様子、楽しかった束の間の時間が綴られています。

その張り出された絵日記の一つに、福山の展覧会を見てはしもとみおさんのファンになったという高校2年生の女の子の日記がありました。その子は、クドリャフカのスケッチと共に日記の最後にこう書いていました。生きていたものを作品に残すことは、そのものに対して、ありがとうと感謝を表すことと一緒だ思います、と。

めっちゃ素敵です。

その女の子は、ゴマフアザラシが好きらしくて、たくさんスケッチして自分で作った木彫のゴマフアザラシの作品写真が一緒に添えられていました。とても可愛い作品です。

なんか心温まりますね。

はしもとみおさんの作品を見て、感動して、自分も何かカタチにする。この女の子が美術をしているかどうか、その背景は知りません。現時点では、二人はおそらく面識もないと思います。ですが、何かがゆるくふんわりと繋がっている感じがしたのです。はしもとみおさんがカタチにしたものが色々な人の心に響き、また新たに何かのカタチが生まれる。そのカタチとは生命の生き写しであり、生命があるからこそ、カタチが生まれる。カタチになる造形物に対する思いは、生命に対する思いでもあります。その生命に対する、ありがとうという感謝の気持ちが引き継がれていることが感じられて、素敵だなと思ったのです。

クドリャフカ

この高校生の女の子に限らず、気持ちの連鎖というか、豊かで穏やかな感情が自然と伝播するというか、お客さんは、単に木彫の動物を見ているのではなく、そこに宿る命を生々しく感じるから、一つ一つの生命に対する慈しみがあるから、その世界に惹き込まれるのかもしれません。

好きなものに囲まれて生きる。等身大の自分で生活する。周りのものに日々感謝する。自分のペースにあった時間の中で、毎日を紡いでいくと、大切なものが自然と集まってくる。今回の展示もそんな感覚になる素敵な世界でした。

いつかこの女の子のゴマフアザラシがはしもとみおさんの動物たちと共演するかもしれないですね。もしそんな日が来たら、どんな気持ちで今回の展示会を振り返るのでしょう。その日が楽しみです。

木彫展は、はつかいち美術ギャラリーで10月23日までやっています。お近くのかたはぜひ。

展覧会情報

はつかいち美術ギャラリー
はしもとみお木彫展
~カタチの生まれるところ~

会期2022年08月20日(土)〜 2022年10月23日(日)
開館時間10:00〜18:00(入館は17:30まで)

展覧会詳細

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