コレステロール

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コレステロールと聞くとよいイメージを持つ人は少ないかもしれません。テレビCMやラジオなどでも、コレステロールが高いとよくないです。コレステロールは下げましょう、と言っていたりします。ですが、これは間違いです。コレステロールは人間が生きて行く上で必須の脂質です。主に細胞膜や性ホルモンの原料、胆汁酸、そして、ビタミンDの原料になります。

コレステロール を原料とするもの

例えば、コレステロールが不足すると細胞膜がきちんと作れなくなります。細胞膜の骨格そのものであるコレステロール が不足すると細胞はその形を保持できなくなります。その結果、ウイルスや細菌が細胞に入りやすくなり、ガンや肺炎になりやすくなります。胆汁ができなくなれば、消化機能に影響します。ビタミンDが不足すると、骨が脆くなり骨折しやすくなります。ビタミンDは、皮膚でコレステロール と紫外線により作られます。コレステロール は、肉や卵などの動物性食品に多く含まれます。

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コレステロールが身体に悪いというのが常識だった時代は、一週間で食べる卵を2個までにしましょうと言われていたり、マクロビオティクを勧める人は、卵の摂取を控えるよう言います。ですが、コレステロールが悪者ではないと分かった今では、例えば、スーパーなどの卵売り場などで卵はコレステロールをあげません、と書かれた札を見かけることもあります。

定期健康診断などでコレステロール値や中性脂肪を測ると思います。これは血中の脂質を調べ、動脈硬化や糖尿病などのおそれがないかをチェックするものです。現在の診断基準では、空腹時採血でLDLコレステロールが140mg/dl以上で高LDLコレステロール血症、HDLコレステロールが40mg/dl未満で低LDLコレステロール血症、中性脂肪が150mg/dl以上で高トリグリセリド血症とされます。これらのいずれかであれば、脂質異常症と診断されてしまいます。脂質異常症は以前は高脂血症と呼ばれていました。そのときには、総コレステロールという診断基準もあり、その数値が220mg/dl以上だと高脂血症と判断されていました。しかしながら、実際には220−260mg/dlの間が最も長生きだと言われています。現在の基準では、総コレステロール は診断基準から外されています。

脂質異常症の診断基準

総コレステロールとは、血中を流れるリポタンパク質であるHDLやLDL、VLDL、IDL、カイロミクロンなどに含まれる全てのコレステロールの合計です。HDLは善玉コレステロール、LDLは悪玉コレステロールとよく呼ばれます。ですが、これも間違いです。コレステロールにはそれぞれ役割があり、善玉も悪玉もありません。LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを組織に運びます。HDLコレステロールは古くなった組織のコレステロールを肝臓に戻します。そもそもコレステロールの8割は肝臓で作られます。残りの2割が食事から作られます。食事でコレステロールを摂り過ぎれば、体内からの生成が抑えられ、逆に足りなければ体内で補えるということです。このフィードバック調整によりコレステロール の生合成は抑制されます。

体には常に一定の状態を保つように調節する機能があります。遺伝的な病気の場合を除き、食事とコレステロールの値は関係がないことが分かっています。コレステロールは低いほうが、ガンや感染症に罹りやすいです。それにもかかわらず、血液検査で引っかかった多くの患者にコレステロールを下げる薬が処方されています。

コレステロール低下薬の代表的な薬にスタチン製剤があります。もっともよく使われているものにメバロチンやリポバスがあります。スタチンは、コレステロール合成過程であるアセチルCoAからメバロン酸へ変化する過程の酵素の働きを阻害し、コレステロールが作られないようにします。

スタチンはヒドロキシメチルグルタリル-CoA レダクターゼを阻害する。

スタチンには副作用があります。例えば、横紋筋融解という筋肉が溶ける病気があります。骨格筋と呼ばれる筋肉が壊死し、ミオグロビンという筋肉中の色素タンパク質が血中に流れ出すことにより、尿細管に負担がかかり、腎不全が起こる可能性があります。症状として筋肉の強ばりや痺れ、筋力低下などが起ります。コレステロール が悪いという認識を改め、安易にコレステロール を下げる薬を服用しないようにしたいものです。

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