予防医学

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現在、国の医療費は40兆円を超え、今も毎年増え続けています。増え続ける原因を放っておくと、国の医療財政はますます逼迫すると思います。日本には国民皆保険があり、病気になると病院で治療を受けられるわけですが、それは本当に正しいのでしょうか。

日本人の死因第一位は、言うまでもなく、悪性新生物、すなわち、がんです。がんで亡くなる方は毎年38万人近くいます。1985年から2015年までに30年で2倍近く増加しています。罹患者も毎年増え続け、2020年の罹患者予測では100万人を超えます。このため、現在では、がんは怖い病気というイメージが一般的です。がんになったら死のイメージがつきまといます。

がんを含め、病気の予防のため、職場などでも毎年健康診断が行われます。その数値をみて一喜一憂する方も多いのではないでしょうか。特に、がん検診は啓発活動などもあり、受診を勧める声は大きくなるばかりです。誰でもがんや病気にはなりたくないものです。ですが、この健康診断、受けていれば病気にならないのでしょうか。

結論から言えば、健康診断は何の病気の予防にもなりません。もしそれでがんを見逃したらどうするのかという反論もあるでしょう。ですが、例えば、がん検診でわかるのは、ある時点でがんがあるかどうかです。つまり、検診自体ががんを予防するわけではありません。運よく検診でがんが見つかればいいですが、検診ですべてのがんが事前に見つかるというわけでもありませえん。

検診を受けても受けていなくても、がんになるような生活をしていれば、がんに近づきます。つまり、普段の生活、特に食生活に注意を向け、がんにならない体になる食べ方とはどういうものか。がんを予防するための食事とは何かを学び、それを実際に取り入れることが最大の予防になります。これはがんに限らず、糖尿病や認知症など増え続ける慢性疾患全てに共通します。全ての土台は食事、言い換えれば、栄養です。いつも不調なく健康でいるための栄養とは何か。それを一人ひとりがいかに学ぶかにかかっています。

病気の予防は、定期的な健康診断がしてくれるわけではありません。一番大きな点は、人任せではなく、自分で予防するという考えです。それを理解し、食事を改めた上で定期的に血液検査をして、体をチェックするのはとても有効だと思います。西洋医学は対処療法が基本です。急性期の疾患で急場をしのぐにはとても優れた医療分野です。ですが、がんや糖尿病などの慢性疾患に対しては、上記のがん死亡者数や罹患者数などをみると西洋医学分野での治療は功を奏していると言えるでしょうか。

同じく、糖尿病も予備軍あわせて2000万人近くいると言われます。もしも糖尿病になったとき、食生活の改善をすることなく、インシュリン注射を打ち続けることで本当によくなるのでしょうか。糖尿病で怖いのは合併症です。糖尿病合併症は末梢の血管がボロボロになります。自覚症状が少ないまま進行し、網膜症や腎機能障害、神経障害などを引き起こします。

肺がんの治療薬として有名なオプジーボはかなり高額な薬剤です。オプジーボとは、免疫チェックポイント阻害薬です。これはがん細胞が免疫の働きを抑制して生き延びようとするのを阻止する薬です。最初は、皮膚がん(メラノーマ)に対する治療薬として承認されました。その後、徐々に適応が拡大されて行きました。当初は患者一人あたりの薬価は1年間で約3800万円もしました。今は薬価は下がりましたが、それでも約1000万円と言われます。これも保険診療であれば、3割負担で出来るわけです。

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本当にこういったことを続けていれば、医療費は膨大になると思います。病気になって膨大なお金がかかるより、病気にならないための予防にそのお金を投資するべきではないでしょうか。それには、まずは食生活の改善だと思います。予防医学とは、医者や看護士などの医療関係者が防いでくれるものではありません。私たち一人ひとりが、日々の生活を見直し、食事の改善や適度な運動、ストレスをためない環境を作るなど、個人の意識と行動によってなし得るものだと思います。

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