平山郁夫美術館 企画展「トルコからシルクロード」

昭和48年に描かれ群畜穹閭(ぐんちくきゅうりょ)という作品

平山郁夫美術館に行ってきました。平山郁夫美術館は、広島県の生口島という小さな島にあります。住所でいうと尾道市瀬戸田町になります。瀬戸田町は、瀬戸内しまなみ海道の真ん中くらいにあります。しまなみ海道とは、広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶ道路です。しまなみ海道を車で走ると、瀬戸内に浮かぶ島々や綺麗な海に囲まれてとにかく気持ちいい。

平山郁夫さんは、日本画家で東京藝術大学の学長を勤められた方です。仏教伝来やシルクロードシリーズなどの作品で知られています。日本画自体、普段は絵画とか観ない方には馴染みの薄いかもしれません。平山郁夫美術館は平山郁夫さんの数々の功績を展示している生地である生口島に建てられた美術館です。

現在は、企画展「 トルコからシルクロード」を開催していました。館内写真撮影は自由にできます。下記はアルコールワット遺跡 朝陽という作品です。

アルコールワット遺跡 朝陽

私が美術館や展覧会で何かをみるとき、その面白さは完成された作品よりも、そこに到達するまでにある素描やデッサン、メモ書きみたいなものをよくみます。作品として完成されたものもそれはそれで素晴らしいのですが、それ以上に、その作家の個性が現れているように思うからです。また、作品の良し悪しは画面の大きさや使っている絵の具の量でもありません。

そのスケッチの中で目にとまった次の2点。一つは、小型の船に乗って人が佇んでいます。瀬戸内の海でしょうか。もう一つはタバコをふかしている男性です。どちらもとても味わいがあります。暮らしの中でみてきた風景の断片なのだと思いますが、当時の姿格好というか、日常の雰囲気というか。どことなく感じさせます。おそらくささっと素早く短時間で描いたのでしょうが、直感的に捉えたものは、想像以上に的確というか。完成作品より伝える力が強いというか。そう感じるのは自分だけでしょうか。

モノを観察してそれを捉える直感。これは、モノのカタチや色を捉えることだけでなく、日常生活の全てのシーンで重要になってきそうです。世間でよいと言われている食べ物や行動習慣は本当にそうなのか。野菜は健康にいいというのは本当でしょうか。肉を食べるのはよくないというのは本当でしょうか。断食は本当に有益な効果があるのでしょうか。何事も自分の目でみて、自分の体で感じることが大切なのではないでしょうか。

平山郁夫さんは15才のとき被曝をされています。この体験は私たち戦争を知らない人間からすれば、想像できないくらい強烈なものだったと思います。日本画家の人生にどう影響したのかはわかりません。たとえどんな人生を歩んでいたとしても、その人の人生に大きな影響を残したことは間違いありません。

被曝した同級生と昭和40年代に再会したとき、自分が見た原爆のきのこ雲を描かれています。このスケッチから感じるものは人それぞれだと思います。体験というのは、その人限りのもの。今ではスマホでも写真や映像を撮ることは容易になりました。表現手段が格段と豊かになった訳ですが、この一枚の絵が伝えるものを見た人はどう捉えるのでしょうか。

原爆のきのこ雲

三石巌さんは、著書の中で被曝した人たちが負ったケロイドや損傷した皮膚は、その細胞の遺伝子が生きていれば、早期にきちんと栄養を摂ることで細胞が再生し、修復される可能性があると言っていました。

美術館の展示数自体はとても見やすいです。多すぎず少なすぎず、広すぎず狭すぎず。美術館以上にここの土地に流れる瀬戸内の風景や景色が素敵です。この寒い時期で、コロナ禍の中でも自転車でツーリングする人たちをよく見ました。

平山郁夫美術館 正門。正月だったので、門松。

行くなら夏がお薦めです。すぐそばには耕三寺というお寺もあります。

平山郁夫美術館

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