パントテン酸

パントテン酸は、ビタミンB群の一つで水溶性ビタミンです。ギリシャ語で「どこにでもある」という意味で、通常不足することはありません。ビタミンB5とも呼ばれます。パントテン酸はアメリカの生化学者ロジャー・J・ウィリアムズ博士によって発見されました。

パントテン酸は抗ストレスホルモンとも呼ばれ、ストレスなどで不足すると強い疲労感に見舞われます。パントテン酸は、体内でCoA(コエンザイムA)の構成成分として、糖質や脂質、タンパク質の関わります。補酵素として数多くの反応と関わり、性ホルモンやアセチルコリン、副腎皮質ホルモンなどの合成に関与します。

さらに、パントテン酸は、コラーゲンの合成に必要なビタミンCの働きを助け、皮膚や毛髪の健康を正常に保ちます。ビタミンB6や葉酸と一緒に働き、ウイルス感染に対処するための免疫抗体の作成に関わります。善玉コレステロールを増やして、動脈硬化を予防し、心血管疾患を予防します。また、パントテン酸は自律神経の働きを維持します。

パントテン酸は、ごくわずかですが体内で腸内細菌によっても生成されます。パントテン酸が不足すると、細胞内のCoA濃度が低下します。うつや不眠、関節炎、疲労が取れないといったことや、皮膚や毛髪の艶が無くなったり、知覚異常、手足の痺れ、生殖能力低下、低血糖症などが起こります。ですが、通常の食事を取っていたら不足することはありません。

パントテン酸は、卵、レバー、納豆などに含まれています。熱に弱く、酸やアルカリによって壊れやすい性質があります。アルコールやカフェインの摂取によって、パントテン酸の吸収が疎外されるので、常飲する方は注意が必要です。

参考:新・栄養医学ガイドブック (サプリがもたらす健康の回復)柏崎 良子 (著) / サプリメントで病気になる!サプリメントで病気を治す! ビタミン・ミネラル編―あなたのサプリメント選びは間違っている!八藤 真 (著) / アスリートのための最新栄養学(下)山本義徳 (著)

アスリートのための最新栄養学(下) ペーパーバック – 2017/9/9