はしもとみお彫刻展ー海からはじまるいきものたちー

9月下旬、広島県下蒲刈島の蘭島閣美術館で開催されていた『はしもとみお彫刻展 海からはじまるいきものたち』に行ってきました。はしもとみおさんの彫刻を観るのは今回で2回目。2018年に東京の郵政博物館で開催された展覧会が初めてでした。

はしもとみお彫刻展 海からはじまるいきものたち

何ではしもとみおさんを知ったんだろう。覚えてませんが、そのとき初めて見た感動は今でも覚えています。今回もさらにそれを上回る作品群でした。圧倒されました。全部がかわいい。かわいいの全部のせでした。

蘭島閣美術館は広島県呉市の小さな島にあります。アクセスはとてもしずらいところでしたが、本当に行ってよかったと思います。秋の晴天にも恵まれ、車でのドライブを兼ねて、絶好のお出かけ日和でした。電車でアクセスしやすい美術館は確かに便利です。ですが、ドライブで景色を眺めたたり秋の空気を感じながら、美術館までの行き帰りとセットで美術鑑賞を楽しむのも、とても記憶に残るよい思い出になります。

何より、安芸灘大橋を渡り始めて、一気に瀬戸内の素晴らしい環境が出迎えてくれたその瞬間に、どこか別世界に来たかのような感覚でした。その素敵な記憶が今も心地よく残っていて、美術館についてもいないのに、ああ、来てよかっったと運転する車の中で思ったものでした。駐車場に車を止めて降りると、真っ先に海を見に行きました。汐風と太陽の日差しを浴びて、最高に気持ちよかったです。ずっとここに座って眺めていたい。そんな感覚になりました。

瀬戸内海(右端に見える橋が蒲刈大橋。向かいに見えるのは上蒲刈島)

しばらく、眺めた後に、蘭島閣美術館に行き、早速、はしもとみおさんの彫刻を観ていくのでした。かわいすぎて、言葉がありませんでした。そこそこいい大人の女性客2人連れが、一つひとつ作品を見るごとにわーきゃー言いながらごっつい一眼レフカメラで撮りまくっていました。興奮の度合いが凄まじかった。まあ、私も人のことは言えず、撮りまくったのですが。というより、はしもとみおさんの作品を観て、写真を撮らずにいられる人などいるのでしょうか。写真撮影はOKでした。この可愛さは写真だけでは伝わらないかもしれませんが、たくさん撮ったので載せて行きます。

ジュゴンのセレナとウミガメのカメ吉

もう、これらの作品を観て、かわいいという言葉以外浮かびません。このかわいさは、きっとはしもとみおさんという方のいきものへの愛情の裏返しなのかもしれません。いえ、作品と言ってしまったら、失礼かもしません。はしもとみおさんの作品には、作品タイトルがありません。そこにあるのは、一つひとつの動物とその名前です。実際に実在した生きものです。つまり、そこには作品を通り越した、何か魂の宿った存在です。作品という高尚な感じは微塵も見せず、身近にいる大切な仲間といった感じです。いえ、はしもとさんに言わせたら、家族かもしれません。

最近、つながりというものが薄れてきたように思います。学校、職場、家庭などどこにも居場所がない、あるいは、社会の一員であるはずなのに、社会の中で属している気がしない。ひとりぽっちだ。どの世代に渡っても、そんな孤独感、孤立感を増えている人が多くなっているように思います。実際に付き合いの多い少ないに関わらず、希薄なつながりに実は気づいているのかもしれません。

自分ももしかしたらその一人かもしれない。はしもとさんの月くんに愛情をを感じるのは、何か血の通った温もりのような感じを抱くからでしょうか。女子二人連れも、そんな温かさにつながりを感じて、一歩歩く度に興奮気味に声を上げるのはそのためだったのでしょうか。

シナモン

かわいいと感じるのは、愛情です。愛情とは人に抱く気持ちです。愛しいと思うのは、大切な存在であり、つながっていたいという心の叫びです。もうその時点で作品でなく、一つひとつが唯一無二の存在なんです。さらにすごいには、ひとりぽっちでもいいじゃないか。そんな言葉を投げかけてくれるような存在でもありました。ひとりぼっちでも大丈夫。僕がいるよ。

はしもとさん家のかわいい家族たちがそう言葉を投げかけてくれているような気がします。はしもとみおさんの作り出す世界に身を置いて、そんなことを感じました。もう美術館に作品を観に行くのではなく、はしもとさん家にお邪魔して、はしもとさんの留守の間に、はしもとさんの家族と一緒に過ごしたような素敵な時間でした。

今回のテーマは、海からはじまるいきものたち、ということで、ジュゴンのセレナが空間を泳いでいました。はしもとみおさんの彫刻展に行くと、色々な命と出会えます。今そこに実在するかのような可愛らしくて、愛くるしい家族たち。本当に幸せな気持ちになれますね。一度はこの暖かさに出会ってみてください。

展覧会で購入したオススメの二冊(左)はしもとみおの木のどうぶつ図鑑(右)はしもとみお 猫を彫る

ちなみに、会場でまた本を買ってしまいました。『はしもとみおの木のどうぶつ図鑑』は色々な動物が本当に全て可愛いです。『はしもとみお 猫を彫る』は猫好きにはたまらないです。本当にみんなそこに生きていますね。

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