糖質制限が広まり、病気の治療や体調不良からの回復といった食事療法というより、ただ痩せるためのダイエットの手法としての認識が一般的には強くなっているに思います。それだけならまだしも、糖質制限が危険という主張が増え、糖質制限が誤った方法だと誤解させるような発信も多く、受け手は相当戸惑うと思います。
糖質制限に否定的な意見の多くは、その論拠を科学論文としています。つまり、自分の身体では試していません。そういったエビデンス第一主義の話をまともに受け取り、せっかく始めた糖質制限をやめてしまうのは本当にもったいないと思います。糖質制限の効果は単なる痩身など見た目をよくするためだけのダイエットだけではなく、その健康効果はとても高いのです。
健康効果というより、現代社会では炭水化物が蔓延しすぎて、その取りすぎによる弊害があまりにも多いです。今までの食事内容を見直すだけでも健康に対する効果は相当あると思います。ただ、普通の人にとっては、タンパク質、脂質、炭水化物といった三大栄養素と言われるものと、では、実際の食事で何がそれに当たるのか、といったことは実は意識して学んだことがなければ、わからないのではないかとも思います。
糖質制限に関する本は、今ではたくさん出版されているので、好きな本を選べば良いと思いますが、それでも何かという方には、下記の2冊がおすすめです。文章量が少ないのですぐ読め、ビジュアルも豊富なので、大変分かりやすいと思います。
1冊目は「ビジュアル版 糖質制限の教科書」(監修:江部康二)です。江部先生は、京都の高雄病院で理事長をされている医師です。糖質制限の世界ではとても著名な方です。自身も糖質制限で糖尿病と肥満を克服された経験を持ち、糖質制限に関する著書も多いです。食品別糖質含有量一覧やレシピなどもあり参考になります。
2冊目は「糖質制限がすごい!ケトン体生活のススメ」こちらは、産婦人科や内科や外科、歯科医師や塾の先生などいろいろな科の専門家が集結して、書かれたムックです。各分野で病気の回復や治癒、予防も含めて、糖質制限を使ったアプローチがいかに有効かが分かりやすく書かれてあります。何よりこのムックは、今までの常識が軽く吹っ飛ぶくらいパンチがあります。糖質の過剰摂取が身体の様々な疾患に関わっていることが分かります。
1冊目の江部先生の本も十分に分かり易ですが、こちらはさらに文章量も少なく、本当に初めの一歩を学びたい方には全体を通して糖質と健康の関わりがわかるのでおすすめです。何より、様々な分野の先生がいかに糖質制限が健康に寄与しているかを分かりやすく解説している点がすごいです。つまり、これはどういうことか。
糖質を過剰に摂取してしまうと、ガンや糖尿病、アトピーや口腔内の疾患など、身体の色々なところに不都合が出てきてしまうということです。すなわち、糖質摂取という原因が様々な身体の疾患を結果として起こしています。ここに健康を維持するために必要な示唆があると思います。
普段、一つひとつの病気を個別の疾患だと思いがちですが、実は栄養という一つキーワードに集約されるのではないか、ということです。学力までも上がるという糖質制限の凄さ。糖質制限を学びたい方は、ぜひご一読ください。
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